シフォンケーキ
一昨年の冬
主様に会いに行った時のこと
でも負担に思われたくないから、たまたまそっちに用事があって、ということにして
「急だな… *時からなら2時間くらい時間とれる」
と仰って、それで公園で待ち合わせ
秋の終わりか、冬の初め頃で、少し寒くて
「よく来たな」と言って、マフラーを外され、首輪を嵌められました
そして再びマフラーを巻いてくださり
夕暮れ時の公園のベンチ
作っていったシフォンケーキを美味しいと言って食べてくださる主様
意外かもしれないけど、主様は甘いものが大好き
お酒も飲まれるのに、甘いものも大好きな主様…
公園に散歩に来たご主人様とわんこのように
ただ優しく肩を抱かれながら2時間ほど、お話ししただけ
コーヒーが飲みたいと、自販機に缶コーヒーを買いに行った主様
主様のスマホにはおびただしい数の着信履歴…
たぶんその時、主様は2時間どころか、少しも時間がなかったんだと思う
「そろそろ、行くか」
忙しい、とも何も言わず、ただ立ち上がる主様
その手を取って縋ってただ寂しくて泣く私
「”わざわざ”出てきて、偉かったな いい子だ」と私の頭を撫でる主様
主様は聡明な方なので、私が主様に会う為にだけ出てきたことを、
もちろん知っていたんだと思う…
SM、というと、みんな 何を想像するのだろう?
もちろん、縛られたり、叩かれたり、
時にはもっと恐ろしいことも
だけど、それらは表面的なことに過ぎない
本質的な部分は、もっと別の 心の奥深い部分にある
でもそれを、人に説明するのは難しい…